創唱宗教の簇生の時代

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    資料紹介

    創唱宗教とは、宗教を発生形態から類型した場合の言葉で、特別な一人の創唱者によって唱えられた宗教のことをいう。普通、わが国の神道のように民権の習俗的な宗教意識から自然発生的に生まれてきた自然的宗教に対して用いられ、創唱者は神仏または霊的超越者から何らかの啓示や神託を受けることで、神仏の真理や意志を人間に示す形式をとる。人間はその神仏の言葉である啓示を信じ、従うことで救済されるものであるという。...................
    日本では19世紀初頭からの幕末維新の社会変動期に、都市・農村で展開した多彩な現世利益信仰が、民間の活発なうごきを媒介として、封建社会の矛盾激化とともに新しい性格を持つ宗教に発展する歴史的条件を持つようになった。...............
    王仁三郎が復帰したことにより大本教の勢力は大幅に伸び、国家当局がそれを無視できなかったのが弾圧の原因であろう。大正10年から昭和2年にかけては第一次大本事件が起こった。不敬罪と新聞紙法違反の疑いで王仁三郎ほか数人が検挙され、王仁三郎は126日間後に保釈された。同年秋から彼は「霊界物語」の口述を始め、その後事件は大審院にて前審に重大な欠陥ありとして全判決が棄却され、再審理中に大正天皇の崩御により免訴となり解消したという。ところが、昭和10年から20年にかけてまた第二次大本事件が起こった。これは日本近代史上例を見ない大宗教弾圧で、軍国主義に進む時の政府が教団の聖地を没収し、一切の施設を破壊したものである。

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    -創唱宗教の簇生の時代-
     創唱宗教とは、宗教を発生形態から類型した場合の言葉で、特別な一人の創唱者によって唱えられた宗教のことをいう。普通、わが国の神道のように民権の習俗的な宗教意識から自然発生的に生まれてきた自然的宗教に対して用いられ、創唱者は神仏または霊的超越者から何らかの啓示や神託を受けることで、神仏の真理や意志を人間に示す形式をとる。人間はその神仏の言葉である啓示を信じ、従うことで救済されるものであるという。
     一般にこれら創唱宗教の特色は、第一に自然発生的な宗教ではその担い手が特定の国や地域・民族に限られる傾向があるのに対し、いかなる国・地域・民族にも開かれている普遍的な性格をもつ点があげられる。第二に、その発生が何よりも特定の宗教的人物の救済体験に根ざし、その人格を色濃く反映しているところにある。
     しかし、創唱宗教とはいっても、母胎となる宗教と無関係というわけではない。仏教は古代インドのバラモン教を基盤にブッダという宗教的人格の生活史と体験から生まれたのであり、キリスト教やイスラム教が共にユダヤ民族のユダヤ教の一神教の神観念をベースとしてイエスとマホメットという...

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