恨の介 物語中の和歌の引用

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    資料紹介

    このレポートでは主に『恨の介』の本文に引用されている和歌を調べることとする。時間とレポートの枚数の関係上、美人揃えの引用、地名・社寺名の引用、また謡曲の引用については述べないこととする。

    慶長九年六月十日、当時都に滞在中の関東下野辺の由緒ある侍であり、且つ色好みの葛の恨の介は、たまたま遊山に来ていた、近衛殿の養女雪の前を見染め、千手観音の御夢想により、服部庄司の後家を訪ね、その口から雪の前の数奇な生い立ちを語られ、その手引で、雪の前と姉妹の契りを結んでいる菖蒲の前を通じて、恋文を雪の前に手渡す。(上巻)恨の介の切なる文面に動かされて菖蒲の前は返事をよこす。その文章の謎を解読してもらった恨の介は、八月十五夜、雪の前の局に忍び入り、契りを結ぶが、後朝から思慕の情に堪えかねて病の床につき、一書を遺して息を引き取ってしまった。その文を届けられた雪の前は、一見してあまりの悲しさに絶死し、後家菖蒲の前、および側近く仕えていた後家の妹紅も自害して殉じた。〔ここから課題〕この事件が上聞に達し、特に黒谷の上人を招いて、雪の前・恨の介を合葬した。(下巻)

    実にさまざまな和歌が載っていて、時間があれば謡曲や古今集以外の和歌の現代訳も調べたかった。聞いたことのある和歌は以前覚えた百人一首であり、意味がわかると『恨の介』本文も理解できたので面白く感じた。当時の教養のある人々もこうして面白く読み進めていったのかと思うと興味深い。

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       恨の介 物語中の和歌の引用
             
     1.はじめに 『恨の介』のあらすじ
     慶長九年六月十日、当時都に滞在中の関東下野辺の由緒ある侍であり、且つ色好みの葛の恨の介は、たまたま遊山に来ていた、近衛殿の養女雪の前を見染め、千手観音の御夢想により、服部庄司の後家を訪ね、その口から雪の前の数奇な生い立ちを語られ、その手引で、雪の前と姉妹の契りを結んでいる菖蒲の前を通じて、恋文を雪の前に手渡す。(上巻)恨の介の切なる文面に動かされて菖蒲の前は返事をよこす。その文章の謎を解読してもらった恨の介は、八月十五夜、雪の前の局に忍び入り、契りを結ぶが、後朝から思慕の情に堪えかねて病の床につき、一書を遺して息を引き取ってしまった。その文を届けられた雪の前は、一見してあまりの悲しさに絶死し、後家菖蒲の前、および側近く仕えていた後家の妹紅も自害して殉じた。〔ここから課題〕この事件が上聞に達し、特に黒谷の上人を招いて、雪の前・恨の介を合葬した。(下巻)
     2.レポートのテーマ、目的
     このレポートでは主に『恨の介』の本文に引用されている和歌を調べることとする。時間とレポートの枚数の関係上、美人揃...

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