少人数指導・習熟度別指導について
〔目的・ねらい〕 平成14年1月に当時の文部科学省の遠山大臣が「学びのすすめ」を発表した。これは、授業時数や教育内容の削減によって児童・生徒の学力が低下してしまうのではないだろうか、という社会の懸念に応えようとしたものである。その中で、「少人数授業・習熟度別指導など、個に応じたきめ細かな指導の実施を推進し、基礎・基本の確実な定着や自ら考える力の育成を図る」という方策を示した。
次年度から新学習指導要領に移行するのに従い、現在よりもさらに少人数指導・習熟度別指導の充実が求められていることなどから、これらについて理解することを今回の目的とする。
〔課題〕 今回のレポートでは、少人数授業・習熟度別指導によってほんとうに基礎・基本の確実な定着や自ら考える力の育成=「確かな学力」が身につくのかどうかを見直し、現状の少人数指導・習熟度別指導の課題を考察する。
〔内容〕 文部科学省「教育課程編成・実施状況調査」(03年度)によると、「理解や習熟の程度に応じた指導」、いわゆる習熟度別授業を必修教科で実施する中学校は約7割に上り、「補充的な学習」と「発展的な学習...