老人福祉論

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    資料紹介

    その影響から、働き盛りの人たちが、介護のためやむをえず退職、転職、休職しなければならない事態も生じており、また、介護の中心は女性であるため、女性の就業をさまたげる要因となり、介護の問題は社会問題となっている。後期高齢人口の増加は、寝たきりや痴呆の高齢者の急増をもたらし、医療・保健・福祉のニーズを一層増大させている。
     こうした少子・高齢化によるライフサイクルの変化に伴って、新たな課題が増加している。        
     痴呆性老人に関する厚生省研究班の推計によると、病院・施設に入っている人を含めた痴呆性老人の出現率は6.76%である。痴呆性老人対策は全般に遅れているが、適切な介護サービスが受けられるような社会的対応が強く求められている。最近では、住宅とケアを兼ねた痴呆性老人グループホームが各地で開設され期待されている。
     住宅で生活する要介護または虚弱の高齢者や障害者に提供されるサービス(住宅ケア)は、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイサービスなどの介護や家事援助を中心にしたサービスと、訪問看護や訪問リハビリテーションなどの保健を中心にしたサービスがある。ノーマライゼーションやQOLなどの理念の強調に伴い、住宅型のサービスが重要視されている。高齢者や障害者の自立性や社会性の維持・向上には、老人ホームなどの入所施設ケアよりも、このタイプのサービスの方が望ましいからである。しかし現実には、在宅ケアだけでは対応しきれない、あるいは入所施設ケアの方が望ましい場合も少なくないため、入所施設ケアとの相互補完的ケアの体系的整備が必要である。在宅ケア重視の方向の中で、プライバシーの侵害や生活の画一化などの入所施設ケアの弊害を取り除くとともに、在宅ケアとの一体的運営などの地域ケア体型の中に統合される必要がある。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ライフサイクルの変化に伴う今後の高齢者福祉のあり方について述べなさい。
    ユングは、1946年、ライフサイクルという言葉を使って、人生全体の心理学の先駆者とされている。彼は、人生を少年期、青年期、壮年期、老年期の4つに分け、一生を太陽の運行に例えて次のようにした。
    ライフサイクルは、各年代に特有の役割や課題にどのように向き合っていくかに左右されるが、複合喪失をいかに克服するか、生きがいや自己実現の再構築が必要である。
    彼の考えでは、東から西に向けて四等分された半円のうち、最初の少年期は問題のない状態であり、問題は自覚されていない。青年期には、母親からの独立、強い自我の達成、子供としての地位を放棄して大人としてのアイデンティティを獲得すること、健全な社会的地位の達成、結婚、出世が課題となる。壮年期(正午)には、価値観の決定的転換が生じなければならず、これまでの外界での成功へ邁進していたのが、内的価値を求めるようになり、意味と精神的価値への関心へと変わっていく。老年期は、それまでの人生に向かっていた態度が、その人の生き方に反映される事になる。              
    ところで、現在わが国...

    コメント2件

    LOTO6 購入
    参考になりました
    2006/10/22 22:25 (18年前)

    hkabeta 購入
    よかった
    2006/11/13 16:33 (18年前)

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