ボランタリズムとは、市民の自由意志に基づき自らの資金で報酬なしに社会福祉実践を行う思想であり、「自主性」「公共福祉性」「民間性」を特徴とする援助活動を動機付けるエートスを言う。一般的には社会福祉、医療、教育などの社会的な公共活動に自主的自発的に参加する人たち(ボランティア)を対象にして使う。
ボランタリズムが社会福祉の思想と原理として用いられるようになったのは19世紀のイギリスにおいて、博愛事業家たちが自由な発意に基づいて、自発的な結社として博愛事業協会を組織し、政府の行う貧困事業の枠外でそれと関係なく、彼等自身の資金で救済保護の慈善事業を自主的・主体的に開始したころに始まる。ついで彼らの事業の限界に気づいたCOS(慈善組織協会運動)やセツルメント運動の活動家たちがボランタリーな活動を始めたころからである。そこでボランタリーな精神から、自主的・民間的な思想にと拡大解釈され、公共救済事業に対する私的救済事業として、次第に「民間性」といった意味に使われるようになったのである。
「社会福祉の社会的役割について」
社会福祉士は、1987年に「社会福祉士及び介護福祉士法」で規定された社会福祉分野のソーシャルワークの専門職資格である。法では、「社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業とする者」と定義されている。
さらに、法では義務として、第45条「信用失墜の行為」、第46条「秘密保持義務」、第47条「医療関係者との連帯」が課せられている。これにより、社会福祉士が社会的信用を得ることができ、安心して相談者が相談できるのである。
社会福祉士の業務内容は多種多様で広範囲にわたる。大きく分けて「相談業務」と「援助業務」に分けられる。
相談業務とは、①寝たきり老人や痴呆性老人等の要介護老人に対する介護の内容、体制及び環境条件に関する相談。②高齢者等の保健・医療・年金に関する相談ならびに金融商品や土地等の資産に関する相談。③障害者の介護の内容、体制及び環境条件等に関する相談。④児童や家族に係わる問題事例に関す...