光電管を利用してプランク定数と仕事関数を求め、光電効果を理解する。
・ 目盛板が−22.5°で色分けされない理由
格子定数dの平面回折格子に平行な白色光が入射角αで入射し、波長λの回折光が回折角βの方向に現れるとする。このときλは
d(sinα+sinβ)=nλ (n=0、±1、±2…)
で与えられる。n=0のときは回折ではなく、単なる鏡面反射(β=−α)となる。これを0次のスペクトルという。0次のスペクトルはすべての波長の光を含む。つまり、目盛板が−22.5°のときは入射角と回折角が同じなので、0次のスペクトルとなり、色分けされないのである。
・ 片対数グラフからわかること
まず、図1のグラフからわかることは波長が長い光の方が逆電圧が大きいということである。そして、波長が短い方が湾曲が大きくなり、波長が長い方では湾曲が小さい、つまり直線に近くなるということである。この実験では電流が1μAの時の値でとっているが、
このグラフをもっと大きくとって、光電流がもっと小さくなるようなグラフが書ければ、波長が長い方は湾曲が少ないため、実際の阻止電圧の値との誤差が小さくなると考えられる。
『光電効果について』
目的
光電管を利用してプランク定数と仕事関数を求め、光電効果を理解する。
・原理
固体が光を吸収して電子を放出する現象を光電効果といい、放出された電子を光電子という。光電子は光の周波数νがある値ν0より小さい時には光を強くしても発生しない。またνがν0より大きい時には、各光電子の持つエネルギーはνが大きいほど大きくなり、光が強いほど光電子の数が増加する。この現象を証明するためにアインシュタインが光量子仮説を提案した。光量子仮説によると、周波数νの光はhν(hはプランク定数)を持つ粒子からなり、この粒子を光子(Photon)と呼ぶ。固体が吸収した光子のエネルギーhνは一個の電子に与えられるが、電子が固体表面から外に出るためにはある大きさWのエネルギーを費やさなければならない。Wは物質固有の値で仕事関数と呼ばれる。したがってh<ν<Wならば光電子は発生せず、hν≧Wならば発生した光電子の運動エネルギーEは
E=hν-W
で与えられる。もし二つ以上のνの値に対してそれぞれがEを測定できれば、上式からhとWを決めることができる。
方法
(1)「POWER」スイッチをOFF...