『国際政治――恐怖と希望』について

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    資料紹介

    本書は、1966年に執筆された国際政治に関する著作である。1960年代といえば主に、米ソ間の冷戦時代である。冷戦が終結した現在から見れば、本書はかなり時代的に古いものになるが、文章も比較的平易でわかりやすく、わずか204ページの文章でまとめられており、国際政治の入門書として今もなお出版され続け、長く親しまれている作品である。
     著者は京都大学で国際政治学を専攻し、その後も京都大学教授として研究活動を続け、数々の国際政治に関する著作を残した高坂正尭である。その中でも名著である本書は、彼が32歳という若さで書き上げたものである。当時彼の目を通して描かれた国際政治のあり方とはいかなるものだったのか、そしてそれは、現在の我々にどのような意義をもたらしてくれるのだろうか。以下に本書についての紹介とともに、私の批評をくわえたい。
     まず、全体的な本書の構成であるが、平和についての考察が五章にまとめられている。はじめに序章で、問題を考察する上で前提となる国際政治についての視点を明らかにし、続く一、二、三章で、軍備、経済交流、国際機構と、論題を大きく個別に区切って説明し、最後に終章で国際政治と平和について著者の結論を述べている。これらの章ごとに、その内容を紹介していく。
     『序章 問題への視角』では、基本的な国際政治の見方が提示されている。最初に著者は、国際社会における問題の捉え方が以下に困難で、間違いを犯しやすいかということを説明している。外交に失敗した平沼内閣の言葉にも表れているように日本にとっても国際政治は「複雑怪奇」であった。なぜなら、日本人は力と利益の絡み合った複雑な権力闘争の存在を想定して国際政治を捉えていなかったからである。そして、国際政治と権力闘争は切り離せないものでありながら、第一次世界大戦以降、国際政治は平和を志向する価値体系とも結びついて語られるようになり、ますます捉えにくく変質していた。

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    国際政治学レポート
    『国際政治――恐怖と希望』高坂正尭・著 について
     本書は、1966年に執筆された国際政治に関する著作である。1960年代といえば主に、米ソ間の冷戦時代である。冷戦が終結した現在から見れば、本書はかなり時代的に古いものになるが、文章も比較的平易でわかりやすく、わずか204ページの文章でまとめられており、国際政治の入門書として今もなお出版され続け、長く親しまれている作品である。
     著者は京都大学で国際政治学を専攻し、その後も京都大学教授として研究活動を続け、数々の国際政治に関する著作を残した高坂正尭である。その中でも名著である本書は、彼が32歳という若さで書き上げたものである。当時彼の目を通して描かれた国際政治のあり方とはいかなるものだったのか、そしてそれは、現在の我々にどのような意義をもたらしてくれるのだろうか。以下に本書についての紹介とともに、私の批評をくわえたい。
     まず、全体的な本書の構成であるが、平和についての考察が五章にまとめられている。はじめに序章で、問題を考察する上で前提となる国際政治についての視点を明らかにし、続く一、二、三章で、軍備、経済交流、国際...

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