戦後、日本は科学技術の発展により、都市化が急速に進んだ。平成7年度版国民生活白書によると、1950年には約50%だった農林水産業人口が90年には約10%に激減している。第1次産業に従事する世帯が急激に減少し、サラリーマン世帯が増加した。その結果、人口も都市部へと集中するようになった。
また、出生率も下がり続けた。平成7年度版国民生活白書によると平均世帯人数は戦前から戦後1955年ごろまでは5人であったのが1990年には3人に減っている。
サラリーマン世帯の増加、交通網整備により職場と住居の距離が遠くなり、子供にとって働く大人が身近でなくなった。また、かつて地域社会で行われていた生産と消費の流れが見えなくなり、子どもたちは消費者の視点でしか物の流れを見なくなった。子ども達にとって、働くことの価値を見出しにくい社会になった。地域での生産消費の活動を介して行われていた人々の交流も少なくなり、地域とのつながりも弱くなった。
また、家庭用電気機器の普及により親の手伝いをすることも減った。家庭での役割は子どもとして扶養されることだけになった。そんな中、多くの専業主婦たちが育児不安を抱えているという...