最先端の抗体医療について

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    最先端の抗体医療について
    抗体は定常部の微妙な違いにより、IgG(80%)、IgM(10%)、IgA(10%) 、IgE、IgDの5つのクラスがある。
     IgAは唾液や母乳に存在し、微生物の侵入を防ぐ。ただし血中のIgAには体内に侵入した抗原が血中やリンパ組織でIgAと結合し、血液やリンパ液に乗って粘膜表面に流された後、レセプターを介して複合体ごと腸管へ排泄されることが最近明らかになった。

    IgM抗体は“とりあえず型抗体”といわれ、IgMの抗原特異性はIgGよりも低く、抗体としての威力はIgGの100分の1以下である。IgGの抗体依存性細胞傷害は効力発揮までに数時間から一週間かかるが、IgMは抗原が出ると、すぐに駆けつける。IgMが結合すると補体という細胞傷害成分が集まってきて抗原細胞を攻撃するが、この補体が肝臓で合成する時間は5〜10分である。IgMは医薬品化には不向きだったが、ワクチンの効果を左右し、既にIgM抗体の工業化にめどがついている。
     モノクローナル抗体は抗原に特異的に結合する。がん細胞に過剰に発現するたんぱくを狙い打つ分子標的薬が転移性乳がん治療薬として使われる。ヒトのHER2 を抗原にマウスの抗体を作り、遺伝子操作によって95%ヒト由来の抗体に変えた。転移性乳がん患者のQOLを低下させずに生存期間の延長につながる画期的な薬剤ハーセプチンができた。
     ポリクロナール抗体は多種の抗体が含まれ、抗原が特定できない場合に多種の抗体を投与すればなんらかの抗体が抗原に結合する可能性もあり、特定できない感染症に使われる。

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    最先端の抗体医療について
    抗体は定常部の微妙な違いにより、IgG(80%)、IgM(10%)、IgA(10%) 、IgE、IgDの5つのクラスがある。
     IgAは唾液や母乳に存在し、微生物の侵入を防ぐ。ただし血中のIgAには体内に侵入した抗原が血中やリンパ組織でIgAと結合し、血液やリンパ液に乗って粘膜表面に流された後、レセプターを介して複合体ごと腸管へ排泄されることが最近明らかになった。
     IgMは、IgGが出てくる以前に血中に増えて感染を防御する抗体。間接的に白血球などが抗原を貪食する作用を強める機能がある。、IgAやIgMを使えばウィルスとの複合体ごと排泄したり、抗原を貪食する機能を強めることもありこれまでにない抗体医薬をつくる可能性がでてきた。
     アブジェニクス社のヒト抗体作成技術は、ヒトの抗体産生遺伝子を持った遺伝子操作マウスに抗原を接種すると、ヒト抗体が産生される。この抗体産生細胞を胸腺から分離し、遺伝子を抽出し、別の生産細胞に導入、量産系を作る。ただ治療に適したヒト抗体を作るのではなく、抗原決定基を評価する際にも力を発揮する技術である。 
     アゴニスト抗体、アゴニストとは...

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