広告の可能性として、広告が商品の基本的需要の弾力性についていかなる効果があるかを考えてみると、①ある種の商品に対しては、基本的需要を拡大することはもちろん、その弾力性を変更することもできない。(例:塩)②ある種の商品については、基本的需要を拡張することはできても、その弾力性を変更することはできない。(例:紙巻タバコのように、女性喫煙者を開拓できても、価格の上げ下げで需要を変化させることはできない)③ある種の商品とくに新製品については、非弾力的な基本的需要を弾力的なものにすることが出来る。(例:自動車、テレビ、電気冷蔵庫、エアコンなどの、耐久消費財に当てはまる)
自己の商標に対する選択的需要喚起を目的とする競争的広告は、今日の寡占的競争のもとにおいては最も重要な地位を占める。
広告によって需要を拡大する場合に、商品に備わっておくべき条件として、ボーデン教授が五つの条件を呈示している。
(1)基本的需要が拡大傾向にあること
商品がライフ・サイクルの成長期にあって、産業全体が進歩的で基本的需要が拡張傾向にあるときには、広告は最も大きな効果を表すが、衰退期にあるときは、需要の減退速度を緩和...