企業の社会的責任とは「企業が自己に対する環境主体の諸期待に応える事を自発的に自己の責任とし、それによって、制度としての自己の存在を万全にすること」であり、その本質は「自発的行為による正当性の獲得」にある(森本1994)
「正当性」とは、企業の行動が正義にかなうものとして社会に受容される事を指す。
利潤獲得を目的とする事業体として企業が、
何故、さまざまな環境主体からの期待に自発的に対応するのであろうか。
非所有者である、専門経営者が経営の実権を握っている企業では、出資者を含むさまざまなステークホルダーの利害を調整しながら経営を行い、企業の長期成長を確保しようとする。
このように、制度化された存在としての企業観に立てば、企業が存続していくために、ざまざまな、環境主体からの期待に自発的に対応して社会的責任を遂行していくことは不可欠と考えられる。
企業はまた、社会正義にかなうような行動を取る事によって自己の存在の正当性を確保するために社会的責任を遂行することが必要となる。
このような考え方を表す概念として「良き企業市民」と「ノブレス・オブリッジ」がある。
「良き企業市民」とは...