【Objective】
尿素は人体における窒素代謝の最終産物であり、 肝臓(オルニチン回路)によってアスパラギン酸由来のアンモニア1分子、血中のアンモニア一分子及び重炭酸イオン一分子から生成される。尿素は糸球体から尿中に排出されるため、肝疾患の場合は尿素の合成能力が低下し、血中尿素量も低下する。また、腎機能不全の場合は尿素の排出能力が低下し、血中尿素量が上昇することが知られている。本実験では尿中に含まれる尿素の定量を行う。
【Materials and methods】
ジアセチルモノオキシム法に基づいて尿中の尿素の定量を行った。
【Results】
まず、3[μg/mL]、6[μg/mL]、9[μg/mL]、12[μg/mL]、15[μg/mL]の尿素窒素標準液を作り、ジアセチルモノオキシム法に基づいて検量線を製作した。
単位:[ABS]
0 3 6 9 12 15 0.000 0.081 0.213 0.351 0.397 0.462 0.000 0.095 0.216 0.307 0.427 0.615 0.000 0.090 0.211 0.365 0.423 0.534 上記の表に基づいて縦軸に尿素窒素の濃度、横軸に吸光度[ABS]をプロットし
近似曲線を算出した。
CHART92.『尿素窒素についての検量線』
さらに、採取した尿を250倍、500倍、及び1000倍に希釈し、ジアセチルモノオキシム法に基づいて尿中の尿素窒素の定量を行った。
単位:[ABS]
250倍希釈 500倍希釈 1000倍希釈 一回目 0.820 0.657 0.507 二回目 0.725 0.625 測定ミス 三回目 0.749 0.657 0.510 av. 0.765 0.646 0.509 CHART93.『尿素窒素の測定結果』
検量線を元に、吸光度から、尿中に含まれている尿素窒素の濃度を求めると、
吸光度[ABS] 濃度[μg/mL] 尿換算[mg/mL] 250倍希釈 0.765 21.33 5.33 500倍希釈 0.646 18.03 9.02 1000倍希釈 0.509 14.24 14.24 CHART94. 『尿中に含まれている尿素窒素量の算出』
これを元に尿中の尿素窒素量を求めると
尿中の尿素窒素量[mg]=希釈前尿素窒素量[mg/mL]×尿量[mL]
また、尿素における窒素元素の割合は46.7%である。ゆえに、
尿素量[mg]=尿中の尿素窒素量[mg]÷0.467を基に算出すると
尿中尿素窒素濃度 尿中尿素濃度 250倍希釈 5.33[mg/mL] 11.4[mg/mL] 500倍希釈 9.02[mg/mL] 19.3[mg/mL] 1000倍希釈 14.24[mg/mL] 30.5[mg/mL] CHART95. 『尿中の尿素窒素量及び尿中尿素』
一日尿について計算すると、
【尿中尿素窒素】
250倍希釈:5.33[mg/mL]×0.2435[L/3h]×4[6h/day]=5.19[g/day]
500倍希釈:9.02[mg/mL]×0.2435[L/3h]×4[6h/day]= 8.79[g/day]
1000倍希釈:14.24 [mg/mL]×0.2435[L/3h]×4[6h/day]= 13.87[g/day]
【尿中尿素素】
250倍希釈:5.19 [g /day]÷0.467=11.1[g/day]
500倍希釈:8.79 [g /day]÷0.467=18.8[g/day]
1000倍希釈:13.87[g /
【Objective】
尿素は人体における窒素代謝の最終産物であり、 肝臓(オルニチン回路)によってアスパラギン酸由来のアンモニア1分子、血中のアンモニア一分子及び重炭酸イオン一分子から生成される。尿素は糸球体から尿中に排出されるため、肝疾患の場合は尿素の合成能力が低下し、血中尿素量も低下する。また、腎機能不全の場合は尿素の排出能力が低下し、血中尿素量が上昇することが知られている。本実験では尿中に含まれる尿素の定量を行う。
【Materials and methods】
ジアセチルモノオキシム法に基づいて尿中の尿素の定量を行った。
【Results】
まず、3[μg/mL]、6[μg/mL]、9[μg/mL]、12[μg/mL]、15[μg/mL]の尿素窒素標準液を作り、ジアセチルモノオキシム法に基づいて検量線を製作した。
単位:[ABS]
0 3 6 9 12 15 0.000 0.081 0.213 0.351 0.397 0.462 0.000 0.095 0.216 0.307 0.427 0.615 0.000 0.090 0.211 0.365 0.423 0.534 上記...