「私達はそれぞれの日常生活実践を通じて再帰的に日常生活世界を構成している」
−感情と感情ルールの再帰的関係―
私達が感情を伴って日常生活を送っているのは自明の事実である。では、この感情は、どのようにして発生するのだろうか。「私達はそれぞれの日常生活実践を通じて再帰的に日常生活世界を構成している」という命題のように考えるならば、日常生活実践に属する「感情」と日常生活世界の構成要因である「感情ルール」の間にも、再帰的関係があるのではないか。このことについて考えていきたい。
感情ルールとは、状況ごとに、“適切な”感情のあり方を示すガイドラインである。感情のあり方は、状況に応じてふさわしい種類や、強さを期待されているのだ。そして、感情ワークとは、感情を、感情ルールに適合したあり方にする営みであり、意識的・認知的に行われる場合もあれば、無意識的・非認知的に行われる場合もある。
「私達はそれぞれの日常生活実践を通じて再帰的に日常生活世界を構成している」
-感情と感情ルールの再帰的関係―
私達が感情を伴って日常生活を送っているのは自明の事実である。では、この感情は、どのようにして発生するのだろうか。「私達はそれぞれの日常生活実践を通じて再帰的に日常生活世界を構成している」という命題のように考えるならば、日常生活実践に属する「感情」と日常生活世界の構成要因である「感情ルール」の間にも、再帰的関係があるのではないか。このことについて考えていきたい。
感情ルールとは、状況ごとに、“適切な”感情のあり方を示すガイドラインである。感情のあり方は、状況に応じてふさわしい種類や、強さを期待されているのだ。そして、感情ワークとは、感情を、感情ルールに適合したあり方にする営みであり、意識的・認知的に行われる場合もあれば、無意識的・非認知的に行われる場合もある。
愛情といったような、もっとも人間的である感情でさえも、感情ルールに関与することを免れない。『感情の社会学』によれば、家族における「愛情」という名による権力システムは「感情規則」という概念を使用すればきわめて単純な形で記...