インターネットの光と影
近年のインターネットの発達やそれに伴うビジネスモデルの確立など周辺の環境整備は目覚しいものである。1960年代からアメリカの国防用に研究・開発が始められてから、半世紀弱でこのように大衆化した産業は他に類をみないだろう。一方でこの急速な発展に追いつけずまだ手付かずの状態である問題も多くある。そこでこのようなインターネットの「栄光」、「影」の両方を考察し、次世代への可能性と課題を探っていきたいと思う。
インターネットの原型となるARPAnetを開発したARPAはアメリカ国防総省内に設置された高等研究計画局であり、そこからもわかる通りもともとの目的は国防上、特に対ソ用として軍事利用可能な科学技術を開発するためであった。当時の米ソが一触即発の緊張関係であったことに加え、ソ連が人工衛星スプートニクの打ち上げに成功したことによる科学技術の遅れを取り戻すためにも、開発は急ピッチで進められたのだと思われる。
規模や性質の面でARPAnetが今日のインターネットの様な形に形作られ始めたのは軍事用研究ネットワークであるMILNET等が分離され、ネットワークの主なユーザ...