文章表現

閲覧数1,622
ダウンロード数10
履歴確認

    • ページ数 : 8ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    高齢者の介護は誰が担うべきか
     高齢者の介護は誰が担うかというと、その子供が面倒をみるというのが一般的である。さらに、介護の主たる担い手は、家族の内でも外でも、女性が多い。介護と女性が結びついている理由を考察し、介護における格差解消の方向性を探りたい。
     高齢者介護はジェンダー格差が大きく、
    2000年に厚生労働省が、在宅高齢者介護世帯の大規模な調査を行った。性別不詳が8.3%あるのは、残念であるが、要介護者の内訳は、女性は60.2%、男性が31.4%であり、女性は男性の役2倍となっている。また、在宅の高齢者を世話する主な高齢者のうち、72.2%が女性なのに対し、男性は19.5%にすぎない。つまり、在宅の要介護高齢者は女性が多く、介護者では、圧倒的に女性が多い。つまり、高齢者介護の問題は、女性の問題といってもよい状況にあるのである。
    要介護高齢者に女性が多いのは、やはり、平均寿命の差が大きい。また、医学的に、女性の心臓は、男性の心臓に比べ強いといわれている。男性は、心臓などの疾患であっさり亡くなる人が多いので、結果的に要介護高齢者は、女性の方が多くなるのである。
     さらに、要介護施設に入所している高齢者も女性の方が多いし、施設の介護職員も女性が圧倒的に多い。したがって、要介護高齢者問題に関しては、一般に女性の関心、そして不安や不満が高いとされている。
     そこでまず、なぜ女性の介護職員が多いのかを考えたい。主に女性はコミュニケーションが取りやすいといわれており、男性より多いのはその部分が大きい。コミュニケーションの語源はラテン語のcom-municare(共有する)であり、つまり、何かを共有することがコミュニケーションなのである。本来は熱の伝導やウイルスの感染をも意味する広い概念であるが、ここでは、人と人との間で、送り手となったり受け手となったりしながら、メッセージをやり取りして共有することをコミュニケーションという。
     コミュニケーションは、ただ単にメッセージをやり取りするだけで、終わるわけではない。メッセージのやり取りを通じて、その当事者の認知、感情、思考、行動などに、何らかの影響を及ぼすのであり、その影響をコミュニケーション効果という。援助者がメッセージの送り手となり、利用者とコミュニケーションを図る際には、そのコミュニケーション効果を十分に理解しておくことが、何よりも重要となる。女性はこのことが出来るので介護現場活躍の場となっているのである。
     <認知症高齢者の介護について>
     認知症の原因によって症状に違いはあるが、介護の方法は基本的には変わらない。人は生活するなかでさまざまなストレスを受ける。認知症高齢者も同様であるが、認知症があると、ストレスを避けて通る方法がわからなくなる。また、ストレスを受けたとき、そのストレスを取り除く方法もわからない。
     認知症高齢者に次のようなストレスが加わると、認知症を一層悪化させる。
     ①身体面のストレスとしては、寝たきり、栄養状態の低下、脱水、貧血、発熱、視力・聴力の低下などである。②精神面のストレスとしては、精神的動揺、不安、混乱、抑うつ、心理的防衛反応、適応性の低下などである。③環境面のストレスとしては、急激な環境の変化、役割の喪失、身近な人の離別や死別、介護者の気持ちや姿勢、人間関係、家族構成、介護力、住居や経済状態、福祉制度、などである。
     介護の目標は、個々の認知症高齢者に加わっているストレスを正しくアセスメントし、取り除く、あるいは軽減させる方策をとることである。受けているストレスが軽減す

    タグ

    高齢者介護

    代表キーワード

    介護

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     高齢者の介護は誰が担うべきか
     高齢者の介護は誰が担うかというと、その子供が面倒をみるというのが一般的である。さらに、介護の主たる担い手は、家族の内でも外でも、女性が多い。介護と女性が結びついている理由を考察し、介護における格差解消の方向性を探りたい。
     高齢者介護はジェンダー格差が大きく、
    2000年に厚生労働省が、在宅高齢者介護世帯の大規模な調査を行った。性別不詳が8.3%あるのは、残念であるが、要介護者の内訳は、女性は60.2%、男性が31.4%であり、女性は男性の役2倍となっている。また、在宅の高齢者を世話する主な高齢者のうち、72.2%が女性なのに対し、男性は19.5%にすぎない。つまり、在宅の要介護高齢者は女性が多く、介護者では、圧倒的に女性が多い。つまり、高齢者介護の問題は、女性の問題といってもよい状況にあるのである。
    要介護高齢者に女性が多いのは、やはり、平均寿命の差が大きい。また、医学的に、女性の心臓は、男性の心臓に比べ強いといわれている。男性は、心臓などの疾患であっさり亡くなる人が多いので、結果的に要介護高齢者は、女性の方が多くなるのである。
     さらに、要介護施設...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。