1.義務教育とは (1)憲法26条 能力に応じて等しく教育を受ける権利を有する。 保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。 義務教育は、これを無償とする。 (2)教基法4条 保護する子女に、9年の普通教育を受けさせる義務を負う。 (3)学教法22条 保護者は、子女の満6才に達した日の翌日以降における最初の学年の初から、満12に達した日の属する学年の終わりまでこれを小学校に就学させる義務を負う。(盲、聾、養護学校の小学部) (4)学教法17条目的 18条目標 1号~8号 2.生きる力とは (1)学習指導要領の変遷 1)S22、生活化・体験化 2)S33、系統化 3)S43、現代化 4)S52、人間化(ゆとりと充実) 5)H元年、個性化(新しい学力観) 6)H10、総合化(ゆとりの中で生きる力を) (2)生きる力 自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力(前回 5)の新しい学力観を発展) 自らを律しつつ、他人と強調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性とたくましく生きるための健康と体力 * 1)と3)と5)と共通 (a)基本的概念を明確にし (b)科学の方法を駆使、探求の課程をたどらせる。 事実 仮説 検証 定理 (c)1)の生活化・経験化の際には、はいまわる〇〇科の批判を受け、2)の系統化へ (3)学習指導要領の概念 大綱的基準から最低基準(ミニマム・リクワイアメント)としての性格へ 3.学力と学力低下 (1)基礎的な学力 読み、書き、計算、世界の中で生きるための外国語や情報活用能力 *平成12年11月教育委員会月報、大島理嘉文部大臣 巻頭言談 (2)国際学力比較 平成7年と12年の比較 数学 3位から5位へ シンガポール604点、日本579点 学習が好き48%(前回5%減、世界72%) 理科 3位から4位へ 台湾569点、日本550点 学習が好き55%(前回1%減、世界79% (3)学力論争 1)理解度は、小・中・高→7.5.3と言うこと 2)大学生の学力低下{1+(0.3-1.52)}÷(-0.1)2 理工科系大学生の正答率 58~91%(朝日新聞) 3)理科離れ 4)2006年問題 5)五日制(70単位時間削減)と学習内容3割減への危惧 指導漢字数、必修英単語数の減、台形の面積の指導カット、円周率の扱い 6)ゆとり教育亡国論 7)TT、少人数学級(第7次標準法改正) (4)学力評価 「目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)」を一層重視(指導要録)生きる力の評価、総合的な学習の時間の評価 4.心の教育 (1)家庭教育の役割 (2)ゆとりの教育・心の教育・総合的な学習の時間の展開 (3)心の教育と特設道徳の時間 (4)小学校-ふれあいフレンド、中学校-心の教室相談員 5.学校の役割 学校改革、教師改革、カリキュラムの改革の三つがセット (1)地教行法、学校管理運営規則の改正 (2)学校評議員制度 (3)公立義務教育学校の学校選択・通学区の弾力化 (4)教員への評価、勤務評定の見直し (5)学校経営の評価、マネージメントサイクル(P-D-Sサイクル
1.義務教育とは (1)憲法26条 能力に応じて等しく教育を受ける権利を有する。 保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。 義務教育は、これを無償とする。 (2)教基法4条 保護する子女に、9年の普通教育を受けさせる義務を負う。 (3)学教法22条 保護者は、子女の満6才に達した日の翌日以降における最初の学年の初から、満12に達した日の属する学年の終わりまでこれを小学校に就学させる義務を負う。(盲、聾、養護学校の小学部) (4)学教法17条目的 18条目標 1号~8号 2.生きる力とは (1)学習指導要領の変遷 1)S22、生活化・体験化 2)S33、系統化 3)S43、現代化 4)S52、人間化(ゆとりと充実) 5)H元年、個性化(新しい学力観) 6)H10、総合化(ゆとりの中で生きる力を) (2)生きる力 自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力(前回 5)の新しい学力観を発展) 自らを律しつつ、他人と強調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性とたくましく生きるための健康と体力 * 1)と3)と5)と共通 (a)基本的概念を明確にし (b)科学の方法を駆使、探求の課程をたどらせる。 事実 仮説 検証 定理 (c)1)の生活化・経験化の際には、はいまわる〇〇科の批判を受け、2)の系統化へ (3)学習指導要領の概念 大綱的基準から最低基準(ミニマム・リクワイアメント)としての性格へ 3.学力と学力低下 (1)基礎的な学力 読み、書き、計算、世界の中で生きるための外国語や情報活用能力 *平成12年11月教育委員会月報、大島理嘉文部大臣 巻頭言談 (2)国際学力比較 平成7年と12年の比較 数学 3位から5位へ シンガポール604点、日本579点 学習が好き48%(前回5%減、世界72%) 理科 3位から4位へ 台湾569点、日本550点 学習が好き55%(前回1%減、世界79% (3)学力論争 1)理解度は、小・中・高→7.5.3と言うこと 2)大学生の学力低下{1+(0.3-1.52)}÷(-0.1)2 理工科系大学生の正答率 58~91%(朝日新聞) 3)理科離れ 4)2006年問題 5)五日制(70単位時間削減)と学習内容3割減への危惧 指導漢字数、必修英単語数の減、台形の面積の指導カット、円周率の扱い 6)ゆとり教育亡国論 7)TT、少人数学級(第7次標準法改正) (4)学力評価 「目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)」を一層重視(指導要録)生きる力の評価、総合的な学習の時間の評価 4.心の教育 (1)家庭教育の役割 (2)ゆとりの教育・心の教育・総合的な学習の時間の展開 (3)心の教育と特設道徳の時間 (4)小学校-ふれあいフレンド、中学校-心の教室相談員 5.学校の役割 学校改革、教師改革、カリキュラムの改革の三つがセット (1)地教行法、学校管理運営規則の改正 (2)学校評議員制度 (3)公立義務教育学校の学校選択・通学区の弾力化 (4)教員への評価、勤務評定の見直し (5)学校経営の評価、マネージメントサイクル(P-D-Sサイクル) (6)開かれた学校 (提言の内容) 【委員】 義務教育が抱えている問題等も話をしながら、進めていきます。 1,義務教育とは 憲法第26条、教育基本法第4条、学校教育法第22条で示されているように、保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負うということ、そして、その上で能力に応じて等しく教育を受ける権利を有すると定められています。 長い間この能力ということと等しくということが葛藤を重ねていまして、現在批判されていますように、結果平等論で推し進めてきた教育に問題があるのではないかということも出ているわけです。「保護者が子供に教育を受けさせる義務を負うということ。」、それを受けて、教育基本法で9年間という規定をしています。そして学校教育法では、その教育はいつから始めるのだということで、満6歳に達した日の翌日からということが定められています。さらに学校教育法第17条、第18条では、教育の目的と目標が示されています。目的は非常に簡単なんですが、「心身の発達に応じて普通教育を施す。」と定められており、その目的を達成するために、第18条第1号から第8号までの目標が示されています。非常に概略的な目標だろうと思いますが、人間関係の理解と協調、あるいはまた郷土と国家の現状と伝統の理解、それから、基本的な衣食住や産業についての理解をすると。そして、特に国語教育、それから、下の段の数量的な教育、それから自然現象に対する科学的な観察、それから健康上の問題、それから芸術的な領域と、このようなことが示されています。 2,生きる力とは これを規定しておりますのは、学習指導要領。「ゆとりの中で生きる力をつける。」ということが、この学習指導要領に示されています。ご存じのように、学習指導要領は教育課程の基準として法的な性格を持つています。現在までに6回の変遷をたどっております。 戦後、昭和22年に教育がスタートしてから、そのときは生活化・体験化という形で10年ばかり続きました。生活化・体験化の時代、例えば理科では身の回りの生物を集めようというので土の畑で生物を集めたり、部屋の中の生物を集めたりというような、ほんとうに身の回りから学習に入っていくということでした。結局、体系的な整理もできず、まとまりもない状態で、「はいまわる理科」というような批判を受けて、そして、やはり系統的な学習に移るべきだということで、昭和33年に系統化の指導要領ができました。そして、さらに昭和43年には現代化ということが行われました。これは1957年に米国がソ連のロケットの打ち上げ競争に負けました。いわゆるスプートニクショックということが言われたときです。それで、米国が教育の現代化を強力に進めたわけです。特に理科、数学のカリキュラムの改訂、また注目すべき点は、そういう理数科教育だけでなくて、芸術教育に取り組みました。そして、全米科学財団を中心といたしまして新しいいろんなカリキュラムができました。CBAとかBSCSとかアースサイエンスとか、ほんとうに目新しいカリキュラムができて、教科書もできたわけです。そして、同時に何を取り扱ったかというと、先生方の大学院での再教育が行われました。そのような米国の影響を受けまして、日本では昭和43年に現代化が進みました。ですから、この現代化の考え方は、現在の総合化の考え方と非常によく似ていますし、また、昭和22年の生活化・体験化ともよく似ているわけですが、その下のほうに少し示しましたように、基本的な概念を明確にしなさい。そして、その概念を理解するのには、科学の方法を駆使して探求の過程をたどらせなさい、この2つが大きな柱であったように思います。 例えば、生物を学んだ後で学生たちが、生物とは一体何かということが要約して説明できるようにするのが教育なんだということです。枝葉末節の葉が並行脈であるとか、網目状であるとか、花びらが5枚であるとかいうことではないということ。基本的な概念を明確にしなさいということでした。それから、事実に基づいて仮説を立て、検証をして、定理へと結びつけていく探求の過程をたどらせなさいということ。例えば殺人事件、新聞記事における殺人事件の取り扱い方では、よく調べてみると、犯人はだれだれであったという事実だけでは興味を持たない。探偵小説のおもしろさは、その殺人事件という一つの事実に対して、どのように探偵が仮説を立て、検証をしていくかということが興味を惹くわけですが、そのようにして道をたどらせるということが強調されていました。それを受けた昭和43年の日本の学習指導要領における現代化でした。 ところが、非常に程度が高過ぎて、落ちこぼれをたくさんつくってしまう結果になりました。そして、昭和52年にはゆとりと充実という言葉が出てきて、人間化が必要という、わけのわからない言葉が出てきました。このときに学校裁量の時間等が出てきまして、このゆとりという言葉が現在までまだ尾を引いているのではないかと思います。 そして、さらに平成に入りまして新しい学力観というものができました。これは知識よりも学び方を学んでいくという、どちらかといいますと、その上の昭和43年の現代化と同じ考え方であって、探求の過程をたどらせる学力をつけていくべきである。いわゆるみずから考えていく、問題を発見していく、問題を解決していくというようなことでした。そして、さらに今回は生きる力ということで、総合的な学習時間を導入した新しい学力観を発展させた総合化が進んでいます。 このようにしてみますと、カリキュラム、学習指導要領というのは、やはり歴史が繰り返されているのと同じように絶えず繰り返しているということを感じるわけですが、今また新たに生きる力とかゆとりとか言っているから学力が低下するというような批判もできているわけです。 ただ、今回、この総合的な学習時間というものを設けて、自分で課題を見つけ、みずから学んで、みずから考えて主体的に判断するということ...