佛教大学通信教育課程 S0107教育行政学 第一設題レポートです。
【論題】
『「教育行政の一般行政からの独立」について論じなさい。(教育委員会制度についても言及すること)』
2013年度 A判定
ご参考にどうぞ。
「教育行政の一般行政からの独立」について論じなさい。(教育委員会制度についても言及すること)
はじめに:テーマの意義と問題設定
「教育行政の一般行政からの独立」というテーマは、行政学・教育行政学の両面から非常に重要な課題である。これは教育行政を、地方自治体における他の行政部門(例:福祉、都市計画、総務、土木など)とは別個の、一定程度自律性を持つ機関として機能させようとする発想である。なぜこれが問題になるかというと、教育という政策分野には、専門性・中立性・連続性・責任性など、他の政策分野とは異なる特性があり、行政の通常のヒエラルキー構造の下で、政治的・権力的波及や調整の影響を受けやすいという性向があるからである。
しかし、「独立性」をどの程度まで認めるか、また独立性を持たせたときのガバナンスや制御・民主性との整合性をどう担保するかは、容易でない。教育行政を一般行政から切り離すという考え方には、一方で教育の政治的中立性や専門性を守るという合理性があるが、他方で権力分立の原理、民主的コントロール、首長・議会との関係などと矛盾を生じさせる可能性もある。
そのような葛藤軸を見据えつつ、本稿では次...