A評価です。複数の文献を用いて、利点と問題点の整理及び考察ができている。
引用注の記載も適切で、自分自身の考えと区別して記述されている。と講評いただきました。
丸写しではなく、参考にしていただければ幸いです。
M5117授業科目漢文学
第二設題日本人が「漢文訓読」で中国の古典を読む場合の利点と問題点について、文字・文法・音韻などの点から具体的に説明せよ。
漢文訓読とは、主に、近代以前に中国で使われていた「文言」を読む際に、日本語の文法で読み変えるために、古代日本において発明された読解法である。月本雅幸によると、訓読法の始まりは奈良時代末期とされ、文献に残る最も古いものは785年の「続華厳経略疏刊定記」である¹。現在の訓読法は、前野直彬によると明治45年の「漢文教授に関する文部省調査報告」に基づいている²としている。古代から現代に至るまで訓読法は変遷してきたが、いずれも日本人が、中国語を日本語で理解する際に大きく役立てられてきた。では、その漢文訓読で、中国の古典を読む場合の利点と問題点について考える。
まず、利点については、大きく3つに大別される。
1点目は、漢文訓読に際しては、中国語の発音を必ずしも必要としない点が挙げられる。例えば、中国語に特徴的な発音として「声調」と言うものが存在し、第一声,第二声,第三声,第四声の4種類に分かれる。これは、単音ごとの分岐であるため、日本語の高低アク...