佛教大学 Q5101 日本史概論
リポート設題(第1設題)鎌倉幕府と執権政治について
はじめに
鎌倉時代(1185年~1333年)は、京都の公家政権と鎌倉の武家政権が並んで二重に全国を支配した時代である。日本史上初めて本格的な武家政権が成立し、発展した。また、執権が幕府の政治の実権を掌握するようになった「執権政治」と呼ばれる体制に移行後、一時は栄華を築いたが、衰退していった。本レポートでは、鎌倉幕府の成立と執権政治の展開を述べていく。
1鎌倉幕府の成立
1-1院政と平氏
荘園整理令の発布、記録荘園券契所の設置、有力寺社権門の強訴への対処、大規模な仏像の建立や仏教法会の主催、法親王制の導入、殺生禁断令の発令などの仏教政策を基調とした白河上皇は、権力基盤に武士団の登用をくみいれた。その結果、勢力を拡大したのが平正盛、忠盛父子を中心とした平氏である。海賊追捕や寺社強訴対策などでの活躍により、朝廷内部での地位を急速に上昇させていった。その後、皇位継承をめぐる争いや摂関家内の対立である保元の乱・後白河院政専制への不満から源頼朝と平清盛が対立した平治の乱によって、武力集団の支持によってのみ王権...