環太平洋大学 通信教育課程 第2課題 合格レポートです。 A評価をいただいております。
参考資料として活用ください。
人種差別と多文化共生社会の課題と考察
序論
二〇二〇年に起きたBlack Lives Matter(以下BLM)運動は、黒人差別というアメリカの人種差別にルーツがあるものだ。更に、この運動は同様の問題を抱えるヨーロッパやアジア諸国でも多数の議論を巻き起こした。その一方で、差別は人種間だけではなく時と場合として誰にでも差別される側と差別する側に分類されると私は考える。本稿では、黒人差別とLGBTQやアイデンティティ政治などを鑑みながら多文化共生の道を探る。
本論
黒人差別の歴史とさまざまな面から見るその背景
アメリカ史は黒人差別という点から見ると黒人に対する社会的・構造的な差別体制とそれに抵抗する黒人とのたたかいの歴史であるといえるだろう。奴隷貿易から今日まで続いている黒人差別は彼らの尊厳を否定し、権利を侵害している。
とはいえ、黒人は権利を侵害されて黙っていたわけではなく奴隷解放を目指して北部軍に参加し「自らのアイデンティティをかけた」戦争で自らの尊厳を守ろうとした。その結果、一八六五年に発布された奴隷制度の廃止をもって彼らは初めて自らの尊厳を守ったといえるのではないだろうかと私は...