佛教大学通信の政治文化史2025年度の最終科目試験に合格(85点)したレポートです。限られた試験時間ですので、参考にしていただき、有効活用いただければと思います。
政治文化史
1.摂関政治という政治形態と貴族社会の特質について、指定テキストの内容を踏まえて論述しなさい。なお、「一上」、「受領功過定」というキーワードを必ず1回以上使用すること。
参考文献
『日本歴史06 道長と宮廷社会』大津透著 講談社文庫
摂関政治の政治形態について
摂政と関白は、平安時代における重要な政治職であり、摂関政治を支える中心的な役割を担っていた。指定テキストでは山川出版社刊の『日本史広辞典』を引用し、摂政は、「勅命をうけて天皇にかわって国政を執り行うことおよび執る者をいう。平安時代以降の藤原良房に始まる人臣摂政は、藤原氏がおもに幼少の天皇の外戚として国政を代行したもので、のちには天皇が幼少の間は摂政が、成人後は関白がおかれるのが通例となった。権限は、詔書・論奏の御画の代筆をはじめ、叙位・任官を行い、官奏を聴くなど、天皇とかわりなかった」と言われる。同じく関白は、「天皇の大政統理の権を補佐する職掌・地位。職掌の中核は奏聞・宣下に先だって政務関係文書に目を通すこと(内覧)であるが、おのずから天皇の最終的な諮問相手としても機能した」と記されている。このように、天皇が未...