佛教大学通信の政治文化史2024年度の合格リポート(85点)です。リポート作成の参考にしてください。
■設題
平安時代は日本の古代から中世社会へ移行する過渡期である。テキストを熟読し、特に天皇や政治機構・政治形態の側面に焦点を当てて、律令国家から国家がいかに変容していったのか、まずは指定テキストの概要をまとめた上で、自身の考えるところを論述しなさい。
なお、テキストの概要をまとめる上で、重要と思われる個所をテキストから必ず3ヶ所以上引用し、引用箇所を明記(例えば、坂上〇〇ページ、大津△△ページ)すること。
1.はじめに
日本の律令制度は、奈良時代の大宝律令の制定によって完成し、天皇を中心とする中央集権体制を確立した。しかし、平安時代に入ると、その制度は次第に形骸化し、変容を遂げていった。今回、天皇のあり方、律令国家の軍事機構と軍縮、政治機構・政治形態、徴税理論の転換に焦点を当て、律令国家がどのように変容していったのかを論じる。
2.天皇のあり方の変化
律令国家において天皇の権威は国家の統治基盤であったが、9世紀には天皇のあり方に2つの異なる方向性が見られた。1つは中国の皇帝像に接近する動きであり、もう1つは古来の天皇像への回帰である。
即位儀礼の変化はこの象徴的な例であり、そ...