物権法に関する科目試験では、同じ問題を繰り返し出題する傾向があるので、出題されている問題を参考に類題を作成し、それに対する参考答案を作成してみました。
今後、他の類題を作成し、それに対する参考答案が完成したら更新する予定です。
【事例4】
Aが、Bに対して、自動車甲を売却するに際して、その売買代金債権を担保するための法的手段としてどのようなものがあるか。必要に応じて場合分けをしながら、考えられる法的手段を複数挙げ、それぞれの内容および特色について論じなさい。
なお、自動車甲以外の財産に対する担保物権の設定及び保証は考えなくてよい。
出題:2022年度第Ⅲ回、2023年度第Ⅱ回、2024年度第Ⅳ回
1.自動車甲引渡前①-売買契約の特約
判例は、所有権移転時期に関する特約の有効性を認めているので(最判昭38・5・31民集17巻4号588頁)、A・B間で自動車甲の売買契約を締結する際に、自動車甲の所有権移転時期及び引渡時...