東京聖徳大学通信教育学部心理学科の知覚認知心理学の課題1設題1の一つ目のレポートです。あくまでもご参考程度にお願いいたします。必ずしもS評価がとれるとは限らないことをご承知おき下さい。
※参考文献
・行場次郎・箱田祐司編著『新・知性と感性の心理-認知心理学最前線-』(福村出版)
本レポートでは、記憶のメカニズムを概説したうえで、「忘れる」ことの日常的な具体例を複数挙げ、そのメカニズムを説明する。 記憶とは経験や取り入れた情報を一度脳内に貯蔵し、それを思い出す機能のことである。記銘・保持・想起の3段階で成り立ち、古典的な研究においては、エビングハウスが記憶の保持曲線を研究結果として示し、記憶が時間と共に忘れ去られていくことを表した。記憶は保持時間の違いから、感覚記憶、短期記憶、長期記憶にわけられ、それぞれ容量と機能が異なる。感覚記憶は、視覚と聴覚に分けて研究されており、視覚の感覚記憶は、視覚情報を一時的に貯蔵する機能をもつ。スパーリング(1960)は、これを視覚的情報貯蔵と名付けた。視覚情報は、約10項目ほどが一時的に貯蔵されており、一度に貯蔵できる量が比較的多い。ナイサー(1967)は、感覚記憶をアイコニック・メモリーと呼んでおり、聴覚の感覚記憶にあたるエコイック・メモリーは視覚よりも保持時間がやや多い。これは視覚情報と違って、聴覚情報は一連の音の繋がりを持たないと意味をなさないためである。例えば「しばけん」という言葉を聞いた時に、「し」だけではその意味がわ...