中央大学通信教育課程 2022年度保険法レポート第2課題
課題2
損害保険契約における次の3つの場合の法律関係について説明しなさい。
① 契約の締結時に保険金額が保険価格を上回っていた場合
② 契約の締結時には保険金額と保険価額は一致していたが、その後に保険価額が著しく減少したため、保険事故発生前に保険金額が保険価額を上回る状態になった場合
③ 契約の締結時には保険金額と保険価額は一致していたが、保険価額が通常予想される範囲内で減少したため、保険事故発生時に保険金額が保険価額を上回っていた場合
はじめに
保険の目的物の価額を保険価額といい(保険法9条)(以下の条項も全て保険法を示す。)、損害保険契約の締結にあたり、保険給付の限度額として保険者・保険契約者間で約定される金額を保険金額という(6条1項6号)。
損害保険契約での保険価額は、各損害保険会社の設定する「簡易評価基準」により簡便的な評価が行われている。しかし、「簡易評価基準」により正確な経済的価値を測定することは難しく、「全部保険(保険金額=保険価額)」を理想としているが、「超過保険(保険金額>保険価額)」や「一部保険(保険金額<保険価額)」の問題が生じてしまう。
1 契約の締結時に保...