中央大学通信教育課程 2022年度刑事訴訟法レポート第1課題
課題1
取調べにおいて供述の自由を保障するためには、供述の任意性の要件のみならず、それ以外にはどのような配慮を法的に働かせなければならないかを考察しなさい。供述の任意性の要件だけでは十分でないとされる理由も踏まえて、判例及び実務の動向について触れて、考察すること。
1. 論点
被疑者・被告人の取調べにおいて供述の自由(黙秘権)を保障した上で、取調べをすることが認められているが、身柄拘束下の取調べにおいては、供述の自由が保障するといえるためには、どのような条件が必要となるかが問われ、その際、弁護権が重要なファクターとなる。供述の自由を保障する方法は、各国で異なるが、わが国はいかなる立場をとっているかが論点となる。
2.わが国の被疑者・被告人の取調べ
身体拘束下にある被疑者の取調べに際しては、被疑事実の告知、黙秘権の告知、黙秘権を放棄して供述した場合にはその供述が後に不利益な証拠として用いられることの告知、弁護人の助力を受ける権利の告知、国選弁護権の告知、弁護人との自由な接見の保障を求めることになり、こうした告知や接見を欠いて取調べを行った場合は、供述の自由を欠いた供述となる。
1) 黙...