中央大学通信教育課程 2022年度日本法制史レポート第4課題
課題4
江戸時代の離婚制度について述べなさい。律令の離婚制度と比較してどのような特徴がみられるかも注意して答えなさい。
1 律令の離婚制度
律令の離婚制度では婚姻関係が解消される形態に大きくわけて、当事者の合意による離婚、夫の消息不明による離婚、法による強制離婚、夫の一方的意思による離婚の4種類があった。
当事者の合意による離婚は和離とよばれ、この協議上の離婚では、特別な理由は必要とせず、祖父母・父母の同意は必要であった。夫の消息不明による離婚は、夫が国内で失踪した場合と夫が外国にいき音信が途絶えた場合であり、その期間は子供の有無により区別されていた。法による強制離婚では、たとえば夫と妻の親族、妻と夫の親族、夫婦の親族同士のあいだで暴行・殺人が生じるなど、一定の事由に該当する場合、婚姻を無効として離別を命ずるというものや、重婚や身分違い、婚約中の女性が他の男性と結婚した場合も結婚が取り消され、強制離婚となり、これらに従わない場合は刑を科せられていた。夫の一方的意思による離婚では、律令でこれを棄妻とよび、夫にのみ認められた権利で、妻に離婚権はなかった。しかし、無条件にそれが認められ...