中央大学通信教育課程
刑事政策レポート第2課題
課題2
我が国におけるファミリーバイオレンスの現状と対策について述べなさい。
1 ファミリー・バイオレンスとは
家庭内の親密な関係にある人々の間の暴力を広くさす用語であり、児童虐待(親から子どもへの虐待)、ドメスティック・バイオレンス=DV(配偶者暴力)、高齢者虐待(養護者による高齢者に対する虐待)、青春期の子どもによる親に対する暴力などに分類することができる。
2 ファミリー・バイオレンスの現状
ファミリー・バイオレンスは、家庭内という密室で起きる暴力であるだけに、隠蔽性が高く、その実態を把握することが極めて困難であり、問題の発見や介入が困難であるという実際上の要因に加えて、「親権」や「家族の自律」あるいは「法は家庭に入らず」といった法的観念の下、家庭内という私的領域で発生する問題については、公的介入をできるだけ回避すべきであるという考えが強かった。しかし、1980年以降、国際的には、ファミリー・バイオレンスが子ども、女性及び高齢者の人権に対する重大な侵害であるとの認識が高まり、社会的弱者の保護や権利擁護の観点から防止対策を講ずる必要性が強く唱えられた。
日本でも、従来...