佛教大学通信の教育心理学2024年度の最終科目試験のレポートです。限られた試験時間ですので、参考にしていただき、有効活用いただければと思います。
教育心理学
1.自己調整学習のサイクルとレベルを説明し、それを支える心理的要素について解説しなさい。また、自己調整学習の力を育む授業実践について提案しなさい。
参考文献:神藤貴昭・橋本憲尚 著2023年5月 『新しい教職教育講座教職教育編④教育心理学』
1.自己調整学習とは
日本の学校教育では、現在生涯学び続ける力の育成が求められている。これは、「生きる力」すなわち「自ら学ぶ力」の育成であり、教育心理学でも同様の力が求められている。この自ら学び続ける力について、教育心理学では、学習の「自己調整」あるいは「自己調整学習」として概念化が試みられている。この自己調整学習の定義としては、「動機づけ、感情、メタ認知、行動において、自らの学習課程に能動的に関与して進められる学習のこと」を指している。教育実践場面における学びの自己調整に焦点がある。2017年3月に新学習指導要領が告示され、その総則では「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、児童生徒の生きる力を育むことを目指す」という新たな教育目標が明記されることとなった。これは自己調整学習の考え方と通底するところがある。これ...