佛教大学通信の倫理学概論2024年度の最終科目試験に合格(80点)したレポートです。限られた試験時間ですので、参考にしていただき、有効活用いただければと思います。
1.Sokratesの「汝自身を知れ」ということについて具体的に論じること。
参考文献:小笠原秀実著2021年5月『倫理学概論』
Sokratesの「汝自身を知れ」という言葉は、Sokratesの倫理学における出発点のような言葉であり、その哲学の根幹をなす考え方であった。「彼の知ることは彼が何も知らぬということ」が、真の知への始まりであると考えた。デルフォイの神殿に掲げられた「汝自身を知れ」という言葉に深く影響を受けたSokratesは、人間にとって最も重要なのは、自らの無知を知り、そこから学び続けることであると確信した。自然界の性質や起源は知ることができないかもしれないが、人間がどのように生きるべきか、人生の目的とは何なのか、魂の最高善とは何かといった倫理的な問題については探究できると考えた。そのため、Sokratesにとって哲学の本質は倫理学にこそあるとされた。
Sokratesが目指したことは道徳人、及び市民の義務の研究であった。精神的な教育を求め、善悪、賢愚、正義、不義等の普遍的な意味を定めるために努力をした。そして、教育とは「無いものをつくりだす」のではなく、「有るも...