虐待と発達の障害との関係について述べよ
精神障害者の55%がこども時代に虐待を受けており、境界性人格障害の場合は75%がこども時代にトラウマを有しているとも言われている。また別の報告では、境界性人格障害の半数は6歳以前の深刻な身体的虐待や性的虐待の既往を有していたとされており、犯罪者の75%反社会的人格障害の場合も70%という非常に高い率で虐待を受けて育っている。
児童虐待とネグレクトは広範な望ましくない結果を引き起こすことが様々な研究によって明らかにされている。それらは認知や知的障害、軽度・重度の脳障害、医療的な問題、攻撃性、衝動性、非行、薬物乱用、売春、妊娠、犯罪、家庭内暴力、そして次の世代への児童虐待といった心理・社会的な影響を引き起こす。さらに不安、抑うつ、自殺願望、外傷後ストレス障害、解離。人格障害などの心理的な影響もある。虐待の広範囲にわたる望ましくない結果を引き起こすベースには脳の機能障害の問題がある。新生児の脳の重さはおよそ400グラムであるが、生後半年で2倍のおよそ800グラムへと成長する。この時期に重度のネグレクトにあった乳幼児の脳の発達が遅れ機能障害が生じること...