佛教大学通信の社会学概論2024年度の合格リポート(75点)です。リポート作成の参考にしてください。
Z5414_社会学概論
設題:ピエール・ブルデューの社会学の性格について述べよ。
1.はじめに
ピエール・ブルデューはフランスの社会学者であり、「ハビトゥス」や「文化資本」という概念を用いて社会構造や文化的実践の関係性を理解するための枠組みを提唱している。ブルデューは当時のフランスの階層社会・格差社会の中で得た自身の経験を踏まえ、経済的な財産のみが相続されるのではなく、生まれた時から家族と共に暮らす日常生活の中で無意識的に習得する身振りや話し方、趣味や教養といった文化能力も相続していくことを自らの理論の中で説いた。代表的な著書には、「20世紀でもっとも重要な社会学の書10冊にも選ばれた名著」①(※注1)である『ディスタンクシオン』があり、その中で、「階級や格差は単に経済的な要因だけから生まれるわけではない。社会的存在である人間に常に働いている『卓越化(ディスタンクシオン)』によってもたらされる熾烈な闘争の中から必然的に生まれてくる」①と述べている。今回、ブルデューの「ハビトゥス」や「文化資本」に着目しながら、その社会学の性質について論じていきたい。
2.ハビトゥスとは
ブルデ...