佛教大学通信の宗教文化2024年度の合格リポート(88点)です。リポート作成の参考にしてください。
鎌倉仏教(諸宗)の特徴について、各祖師の主張、背景となる仏教思想、文化史的な流れなどを踏まえて論述しなさい
1.はじめに
鎌倉仏教の特徴は、古代から中世への時代の変化や「氏」から「家」への組織の変化によって生まれてきた「個人」という存在の認識、すなわち個人単位でより実践しやすい仏教、「本当の意味での実践の仏教として、実を結んだもの」①(※注1)という点にあると考える。『概説日本思想史[増補版]』(佐藤弘夫/平山洋編集委員代表 2020年12月)の中では、「鎌倉時代とは、仏教によって個人の意識が登場し社会全体に拡大していった時代」②と記載があり、中世・鎌倉時代以降に庶民の文化が発展していくことにも繋がっている。このように国内では仏教が広まっていくことによって、天皇=人という存在に対する認識の変化、それまでの天皇中心の政治から武士の台頭による政治実権の移行、農民や庶民も共同体を作り小単位での信仰をすることといった変化をもたらしていった点に鎌倉時代の特徴がうかがえる。「仏教は、様々な階層や地域の人々によって自分の信仰として受けとめられ、人々は仏教によって救われたいと願うようになった」②と...