「コミュニティFMの現状と展望」
去る6/8に行われた「地域メディアの役割と将来展望考察」のシンポジウムでは様々な媒体を用いた地域メディアのあり方が紹介された。その中で今回私は「コミュニティFM」について考えてみたいと思う。
コミュニティFMはFMの県域放送や関東や関西で行われているAMの広域放送とは違い、市町村単位、もしくはそれよりも更に小さいエリアで放送されているFM局である。そのため県域放送に比べてより地域密着型の放送ができたり、災害時の放送の手段としての役割が果たせる、というメリットがあるとされる。
ところで私の住む千葉県木更津市にもコミュニティ放送局「FMべる」がある。話を進めていくにあたってこの局を例として取り上げてみたい。
まず放送の行われているサービスエリアではあるが木更津市を含めた周辺4市(木更津市・袖ヶ浦市・富津市・袖ヶ浦市)である。だが実際は市原市の南部や神奈川県の一部でも聴収可能なようである。たがこの地域は正式なエリアとなっていないので番組中でこの地域のニュース等が放送されることはない。
続いて放送内容についてである。普段の放送はJR木更津駅前のサテライトスタジオ、または駅から離れたところにある本社内のスタジオ2箇所から行われている。前者のサテライトスタジオは昨年完成したものでここで行われる放送も増えてきている。
番組は自主制作のものと他局制作のものとにわけることができる。自主制作の時間帯は2006年6月現在次のようになっている。平日は月~金の帯で12時~14時、17時~19時に生放送が行われている。土曜日は13時~14時、日曜は11時~17時の時間帯である。
よって、上記の時間帯以外が他局制作の時間帯となっている。この時間帯の多くは全国のコミュニティ放送局向けの放送を行っている衛星放送局「ミュージックバード」からの内容を流している。またミュージックバードからの配信に比べればかなり少ないが、一部の時間帯では他局の制作した番組をテープネットをしている。
以上「FMべる」の概要について取り上げてみてきたわけだが、以下考察、問題点をあげてみたい。
まず放送時間帯についてである。(ここでいう放送時間帯とは自主制作のことである)平日についてみると一日につき4時間というのは、県内の他のコミュニティ局(市川市のいちかわFM、浦安市のFMうらら)と比べると遥かに低い。しかしまだ内容がしっかりしていれば評価できる時間帯の放送とはなっている。(特に夕方は車通りも多くラジオを聴く機会は多いであろう)ただ朝の通勤時間帯の放送がないのは痛い。(かつては朝の時間帯があったようではあるが)
この放送時間の短さについて考えられる理由としてはまず人材の不足が考えられる。「FMべる」は正社員4人の会社である。土・日であればやはり運営が楽ではないコミュニティ放送局のようにボランティアスタッフ(地元の有志の表現の場となっている)による番組で埋めることができる。しかし普段本職をもつボランティアスタッフが平日の帯番組をもつことは不可能である。
ちなみに今年度の改編前には昼の時間の放送がなくなっていた時期もあり、昼の放送が現在復活していることはある程度評価できる点である。
また財力の問題もある。「FMべる」の放送では自社製作以外の時間帯では朝の一部を除いてはスポンサーCMをきくことができない。朝の時間帯は昔の邦楽や洋楽がトークなしでひたすら流されているだけであるが(もちろん自主制作ではない)逆にこのスタイルが年配層に受けて通勤途中等
「コミュニティFMの現状と展望」
去る6/8に行われた「地域メディアの役割と将来展望考察」のシンポジウムでは様々な媒体を用いた地域メディアのあり方が紹介された。その中で今回私は「コミュニティFM」について考えてみたいと思う。
コミュニティFMはFMの県域放送や関東や関西で行われているAMの広域放送とは違い、市町村単位、もしくはそれよりも更に小さいエリアで放送されているFM局である。そのため県域放送に比べてより地域密着型の放送ができたり、災害時の放送の手段としての役割が果たせる、というメリットがあるとされる。
ところで私の住む千葉県木更津市にもコミュニティ放送局「FMべる」がある。話を進めていくにあたってこの局を例として取り上げてみたい。
まず放送の行われているサービスエリアではあるが木更津市を含めた周辺4市(木更津市・袖ヶ浦市・富津市・袖ヶ浦市)である。だが実際は市原市の南部や神奈川県の一部でも聴収可能なようである。たがこの地域は正式なエリアとなっていないので番組中でこの地域のニュース等が放送されることはない。
続いて放送内容についてである。普段の放送はJR木更津...