2024年7月提出で合格した最終試験です。
ご参考になれば幸いです。
最終試験課題
(1)ジャック・ロンドンの作品を一つ選び、その作品と最近読んだ小説もしくは観た映画とを関連付けて、自分の意見を述べなさい。
(2)「アメリカの黒人文学」に関して、具体的な作家名と作品名を挙げてまとめ、自分の経験と関連付けて自分の意見を述べなさい。
試験解答
⑴
『荒野の呼び声』は1903年にジャック・ロンドンにより発表された作品で、自然主義的環境決定論をテーマとした物語として大ベストセラーとなるほど当時のアメリカで受け入れられた。この作品を「多様性」というキーワードを基に、私が最近読んだ、上田岳弘の小説『ニムロッド』の内容と個人的解釈に関連付けて意見を述べたいと思う。
『荒野の呼び声』の主人公バックは、裕福な飼い犬であったが、ゴールドラッシュのそり犬として冷酷な主人へ売られてしまう。棍棒と鞭に支配される過酷な世界に適応すると同時に、自身の原始的で野生的な本能を取り戻していく。極寒の地の苦痛、オオカミとの出会い、敬愛する主人・ソーントンとの出会いと死を経験し、最後にはほぼ完全に野生に戻り、オオカミの群れの長になる。作中、環境が絶えず変化していくと同時に、その環境に適応...