精神保健福祉士短期養成施設(専門学校)通信課程で合格点を頂いたレポートです。1200文字指定、別に参考文献の記載もあります。2023年9月作成。
医療観察法は、心神喪失または神経耗弱の状態で重大な他害行為を行った者に対して、専門的治療と処遇を行い、社会復帰を促進することを目的としている。医療や行政に委ねず、司法が処遇の決定を行う、わが国で初めての司法精神医療に関する法律である。
医療観察法が施行されるまでは、精神障害者が心身喪失等の状態で重大な他害行為を行った場合、精神保健福祉法に基づいた措置入院制度による処遇が施されていた。いったん入院が決まると司法との関連が途絶え、退院後の処遇も含めたすべてが医療側に委ねられていたため、触法行為への対処や再犯防止への専門的治療が困難、長期入院を余儀なくされる、退院後に治療を継続する仕組みがない等の課題があった。医療観察法が制定されたことで、それまで更生保護を推進していた保護観察所が橋渡しの役割を担い、司法と医療との連携を図れるようになったのである。
医療観察法に基づいた医療観察制度では、適切な処遇を決定するための審判手続き、入院決定を受けた者には厚生労働省所管の指定入院医療機関による専門的医療の提供、退院後の生活環境の調整等が行われる。通院決定をうけた者及び退院を許可された者には、厚生労働省...