2021年度 中央大学通信教育部 中大通教 哲学 第2課題 B評価

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資料紹介

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1 プラトンが「イデア論」を主張するに至った動機
プラトンは、古代ギリシア最大の哲学者である。アテナイの貴族出身であったため、自らも政治家を目指し、英才教育を受けていた。彼の『第七書簡』によると、プラトンが政治の道を断念し、哲学の道に進むにあたっては、当時の惨憺たる政治状況が大きく影響していた。自身の親戚も加わっていたスパルタとのペロポネソス戦争の混乱から政治的荒廃するのを目の当たりにし、政治に失望し、また、当時もっとも正しい人であったソクラテスの死刑執行から政治の道を断念し、ソクラテスが説いていた「魂の世話」としての哲学に身をささげる決心をした。そしてこの時、プラトンの理想「国家」への執念が始まる。
「絶対的道徳基準は存在する」、「真正な学問的知識の獲得は可能である」という二つの確信をソクラテスから引き継ぎ、自らの課題としたプラトンは、自らの主著である『国家』などではイデア論を展開するようになる。
2 「イデア論」とは
 そもそも「イデア論」とは、知識の対象(それについて定義が存在するところの本質存在は確かに存在するが、それは感覚世界には存在せず、知性によってのみ把握されうること)で...

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