本レポートでは、下記の点について簡潔にまとめた上で、プーフェンドルフの見解を整理し、プーフェンドルフが「二重売り」の問題をどのように処理すべきと考えていたか、その見解とローマ法との異同を論じる。
1(1) 教科書140ページに掲載してあるガーイウス法学提要の抜粋を用いて(特に2巻)、ローマ法における所有権移転について要約しなさい。
所有権移転は、自然法または市民法により処分される。所有権移転にマンキパティオを要しない物は、有体物であり引渡、受領されるなら、完全な法権利で他人に移転できる。したがって、所有者から何らかの原因に基づき引渡しを受ければ即時に所有者になることができるが、マンキパティオも法定譲渡もせずたんに引き渡した場合には、法務官上は所有権移転となるも、市民法上は移転は認められない。もっとも、占有が継続すれば(ウースーカピア)そのような場合にも完全な法権利として認められることとなる。
また、引渡しにより所有となる物だけが自然の理に従い取得される物ではなく、従来誰にも属さず、地上・海中・空中で捕獲される物は私たちが先占により所得する物もあるし、敵から捕獲した物も所有に帰する...