東京福祉大学心理学部通信課程の「心理学的支援法(心理療法)」のレポートです。A判定を採点者よりいただいたものです。参考になれば幸いです。
設題:「各種の心理療法の中から、3つの心理療法を取り上げて、それぞれについて論述せよ。」
「各種の心理療法の中から、3つの心理療法を取り上げて、それぞれについて論述せよ。」
本稿では、今日の心理臨床の場において用いられる様々な心理療法のパイオニア的な存在である精神分析、クライエント中心療法、行動療法及び認知行動療法についてその背景となる理論や技法を中心に述べる。
フロイトが創始した精神分析は、心の働きについて特に無意識という概念に着目し説明を試みる理論である。無意識とは、通常は抑圧されていて意識化しにくい領域であり、その力が人間の行動の多くを決定していると考える。クライエントの過去の体験などにより無意識の領域に抑圧された心的葛藤を治療者とクライエントの言語を介した交流により突き止め、それらを意識化することで精神障害の症状を取り除くことを治療のねらいとする。精神分析の代表的な技法は自由連想法である。自由連想法では、クライエントの頭の中に浮かぶ事柄を自由に話してもらい、治療者はそれを基に病の原因である抑圧された感情や体験などクライエントが抱える葛藤を分析していく。そしてその解釈をクライエントに伝えることでクライエントが自身の症状の意味の理解を深め、問題の解決をはかる方法である...