作間真一 教育心理学 玉川出版部
教育における条件付けについて述べています。
生物学者であるパブロフは「パブロフの条件反射実験」を行なった。犬に光を見せてすぐに餌を与えるという刺激を繰り返し、手術により外部に取り出したその犬の唾液腺の一部から分泌される唾液の量を測定した。もともと光を見せても唾液がなかった犬が、光を見せて餌をやるという刺激を繰り返すことによって、光を見て唾液が出るようになった。光を見せて唾液が出るという本来は結びつかない刺激と反応が結び付くという実験である。これをレスポンデント条件付け(古典的条件付け)という。犬にはもともと餌を与えられると唾液が出るという「無条件刺激」と「無条件反応」という無条件に結び付いている刺激と反応がある。その組み合わせが変わることを指す。光を見て唾液が出るという刺激と反応が成立前は、「無条件反応」で、それが強化されることによって、光を見て唾液が出るという「条件反応」になる。
算数が苦手な生徒がいたとする。毎回の算数の授業で「教科書を開いてください。」と教科書を開くと授業についていけないし、分からなくなってしまい「嫌だな。」という気持ちになる。分からないことが克服されないままでいると、そのうちに「教科書を開いてください...