乳幼児の心理についてまとめよ

閲覧数4,359
ダウンロード数11
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    はじめに
     乳幼児の発達の代表的な理論はピアジェとヴィゴツキーである。発達とは、昨日出来なかった事柄が今日は出来ようになる事でもある。本レポートでは、ピアジェとヴィゴツキーの理論を取り上げる。発達とは何かについて述べ、その中でのアタッチメントと、母子の相互作用の重要性について述べる。
    Ⅰ.ピアジェとヴィゴツキーの理論
    ピアジェ(1969)の理論は認識が形作られる為には、生まれつき備わっているのでも経験によって刷りこまれるものでもなく子ども自身が環境と互いに作用する中で組み立てられて行くものであり、理論は「発生的認識論」と呼ばれている。ピアジェは生まれながらに持つ行動体系を以下のように上げている。
    ①「シェマ」はこれまでの経験によって作られた活動の様式や枠組みを示す。
    ②「同化」は外界をシェマに併せて取り込む働きをする。
    ③「調整」対象を取り込めるようにシェマを変更する働きをする。
    ④「均衡化」は同化と調節がうまく均衡する。と位置づけている。
     上記について吸飲反射を例に上げる。
    口に触れると吸う行動「シェマ」から乳首に触れて吸う「同化」がおこり乳首が口に触れると吸う「調節」を行い、その結果乳児は満腹になる。そして母乳を吸うと満腹になる「新しいシェマ」が生まれる。空腹時には毛布が口に触れて毛布を吸う「同化」を行うが、母乳は出ない為にお腹がすいても毛布は吸わない「調節」となるのである。このように同化と調節のバランスを取りながら知識を蓄えて行く働きを「均衡化」という。
     発達段階は出生から2歳頃までの「感覚運動的段階」2歳から6歳までの「前操作段階」6歳から11歳までの「具体的操作段階」11歳以後の「形式的操作段階」と発達を区分している。
     ヴィゴツキー(1970)の理論は子どもと対象を社会、文化、歴史的文脈(環境)の中でとらえ、両者の関係性の変化を発達の所産とした。この場合の文化とは「歴史―文化的」に組織された「人間―対象の世界」であり、これが「発達の源泉」を作り、それを子ども自身が能動的に文化を取得して行く活動が「発達の原動力」であるが、この2つで発達を進めるのではなく、発達の条件は大人による「源泉」と「原動力」の橋渡しである。子どもは文化を知る大人からコミュニケーションを通して環境を学ぶ「精神間機能」から、しだいに内面化して子ども自身の中で学ぶ事が行われるようになる「精神内機能」へ移るのである。と述べている。
     また、「発達の最近接領域」で教育における領域について以下のように述べている。
    従来の知能テストは、子どもの知能の「現下の発達水準」を見るものであり、子どもが自分ひとりで解いた解答を指標として評価する。そこでは当然、他人の助けを借りて出した答えは何の価値もないと見られていた。ところがヴィゴツキーは、2人の同年齢の子どもの計算能力を比べた場合1人が低く、もう1人が高い場合に、知能年齢や発達水準や解決能力が同じ発達水準であっても、高い子どもは大人や仲間の指導により、新たな解決可能となる高い計算能力のレベルを持っている。この2人のレベルの違いを「発達の最近接領域」と呼んでいる。
    Ⅱ.発達
     身体、運動、知覚、言語、概念、思考、情緒等が、一定の方向に向かって進んで行く事である。それは、身長や体重のように目で捉えられる量的な変化と、よりよい人格的適用を型作る質的な変化である。発達には以下の原理がある。
    ①発達には一般的に一定の方向に向かって一定の順序を踏んで進む方向性と順序性がある。これには幼児の体と運動機能の発達が「頭部から脚部」「中心から末端へ」

    タグ

    心理学

    代表キーワード

    乳幼児の心理心理学

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    はじめに
     乳幼児の発達の代表的な理論はピアジェとヴィゴツキーである。発達とは、昨日出来なかった事柄が今日は出来ようになる事でもある。本レポートでは、ピアジェとヴィゴツキーの理論を取り上げる。発達とは何かについて述べ、その中でのアタッチメントと、母子の相互作用の重要性について述べる。
    Ⅰ.ピアジェとヴィゴツキーの理論
    ピアジェ(1969)の理論は認識が形作られる為には、生まれつき備わっているのでも経験によって刷りこまれるものでもなく子ども自身が環境と互いに作用する中で組み立てられて行くものであり、理論は「発生的認識論」と呼ばれている。ピアジェは生まれながらに持つ行動体系を以下のように上げている。
    ①「シェマ」はこれまでの経験によって作られた活動の様式や枠組みを示す。
    ②「同化」は外界をシェマに併せて取り込む働きをする。
    ③「調整」対象を取り込めるようにシェマを変更する働きをする。
    ④「均衡化」は同化と調節がうまく均衡する。と位置づけている。
     上記について吸飲反射を例に上げる。
    口に触れると吸う行動「シェマ」から乳首に触れて吸う「同化」がおこり乳首が口に触れると吸う「調節」を行い、その...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。