2022年 商法(手形・小切手法) 第1課題 D評価

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    満期においてCがAに対し本件手形の支払を求めたところ、A及び甲は、すでに本件手形の振出を取り消したことを理由にこれを拒んだことについて、どちらの主張が認められるべきか。
    1 これについて、Aは未成年であるため、制限行為能力者である(民法20条)。一般に意思能力を有しない者とは年齢で言うと7から10歳程度の子であるが、未成年者が制限行為能力者となる理由は、意思能力の有無の問題ではなく、独立の経済人としての取引に適さないからである。
     手形法には特別の規定はないことから、民法総則の規定が適用される。すなわち、手形行為が取り消された場合には、制限行為能力者は手形債務を負担しない(物的抗弁)。手形意思能力の有無は、手形面上からは判明しないため手形取引の安全を害するが、制限行為能力者の保護が優先される。そして、未成年者は、法律行為をする際に、法定代理人の同意を得る必要がある(5条1項本文)。よって、手形行為をするためには、原則的に法定代理人の同意を得ることが必要である。
     また、同意を得ない手形行為は、制限行為能力者及び法定代理人が、取り消しも可能であるとした取消権(民5条1項・2項・120条1...

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