2022年度までのレポート課題です。
神道の分類についての概要をまとめています。
一.神道の分類
「神道」という宗教には、その形態に応じて「神社神道」「教派神道」「民俗神道」という大きな分類が存在している。古代の農耕生活から生まれた神道の思想は、その後の歴史において時代背景的な影響を受けながら多様な姿を現してきた。本稿では、神道の大まかな歴史に沿ってその形態や思想にどのような分類が生じたかを取り上げる。
二.古代の神道
神道とは自然崇拝や精霊崇拝、祖先崇拝をルーツとする日本固有の民族宗教である。神道、あるいは神道の根源とされる信仰は遣隋使によって日本に仏教が伝わる前から存在しており特にこの年代までの神道を「古神道」と呼ぶ。また、この年代は日本に農耕の文化が根付いた年代でもある。ムラという社会で稲作を行うにあたり、それに適した日照りと雨を神に祈り、豊かな収穫を願うという「祭り」を執り行うのが当時の神道において主な役割だった。つまり、古神道は共同体のための宗教だったといえる。
三.神社の誕生と仏教の影響
飛鳥時代に入り、日本に仏教が伝来して寺院が建立されるようになった。鎌田純一氏は著書『神道概説』において、それまで随時仮設の「祭り」の場であった「神籬」「磐境」が「...