磁性
物理学において、磁性(じせい、英:
magnetism)とは、物質が原子あるいは原子よりも小さいレベルで磁場に反応する性質であり、他
の物質に対して引力や斥力を及ぼす性質の一つである。磁気(じき)とも言う。
磁性は様々に分類がなされている。例えば、磁性の分類の中では強磁性がよく知られているが、強
磁性を持つ物質は自ら持続的な磁場を生み出し得る。また、電流などによっても磁場は発生する。
ところで、あらゆる物質は程度の差こそあれ、磁場によって何らかの影響を受ける。磁場に引き付
けられる物質もあれば(常磁性)、磁場に反発する物質もある(反磁性)。さらに、磁場と複雑な
関係を有する物質もある。しかも、ある物質の磁性状態(または相)は、温度(あるいは圧力や周
囲の磁場)に依存するため、1つの物質であっても温度などの条件によって様々な磁性を示すこと
がある。ただし、ほとんどの場合、磁場によって物質が受ける影響は、特別な装置を使わなければ
検出できないほど小さい。中でも、磁場の影響が無視できる物質は非磁性 (non-magnetic)
物質と呼ばれ、これには例えば、銅、アルミニウム、一般的な気体、合成樹脂などが含まれる。非
磁性物質に対して、特別な装置など使わずとも容易に判るほど強い磁性を示す物質(強磁性物質)
として、ある種の鋼のような人工的な鉄合金がよく知られている。また、磁鉄鉱(天然磁石)や磁
硫鉄鉱などといった鉱物も強磁性物質であり、その名に「磁石」の「磁」が付いていることからも
明らかなように、人間が手を加えるまでもなく、磁力を持っていることが見て取れる磁石が天然に
生成される場合もあることが知られている。
磁力は、電荷の運動によって引き起こされる基本的な力である。磁力を支配する場の起源と振る舞
いはマクスウェル方程式で記述される(ビオ・サバールの法則も参照のこと)。そのため磁気は電
荷を持つ粒子が運動をすればいつでも現れる。磁気・磁性は電流の中の電子の運動によって発生し
て電磁気と呼ばれたり、電子の量子力学的な軌道運動(電子は太陽を周る惑星のような軌道運動を
行なっているわけではないが、「実効的な電子の速度」は存在する)やスピンによって生じ、永久
磁石の力の源となったりする。
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