絶縁破壊
絶縁破壊(ぜつえんはかい、英語: Electrical
breakdown)とは、絶縁体に加わる電場の強さがある値を超えた時、電気抵抗が急激に低下し大電
流が流れることをいう。落雷は、雲と地面の間に大きな電位差がある時、その間にある空気に加わ
る電場の強さが、閾値(約300万V/m)を超え、絶縁破壊が発生することによって起こる。
樹形(リヒテンベルク図形)状に不可逆的な絶縁破壊を起こしたアクリル樹脂のブロック (寸法 76
× 76 × 51
mm)。一面に電子ビームを照射し、推定220万ボルトの電位差を発生させた結果、生じた。
電線路やモーターなどの電気機器においては、短絡(ショート)を防ぐために導体間に一定の空間
を確保したり、絶縁被覆を行う。しかし、雷サージや配線ミスなどにより、設計された耐電圧(絶
縁耐力)を超える高い電圧が加わると、導体間に放電現象が起こって想定外の導通が起こる。
MOS(金属-酸化物-半導体)半導体素子は非常に薄い酸化被膜を絶縁層とするが、この層は人体に
帯電する程度の微弱な静電気でも容易に破壊されるため、開発当初はその取り扱いに注意を要した
。その後、半導体素子内部に保護ダイオードを形成することで、電荷を逃がす構造へ改良が進み、
日常的な静電気による電子回路の故障は低減している。
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