ビッグ5理論は、パーソナリティを類型または特性のどちらと捉えるか論じなさい
ビッグ5理論は、パーソナリティを特性と捉えている。ここでは、ゴールドバーグがビッグ5理論を提唱するに至るまでの研究を辿り、特性ととらえている所以について述べていく。
人の性格的特徴を分類し始めたのは紀元前のギリシア・ローマ時代から行われている。代表的なものとしては、クレッチマーの「内因性精神病と体格」、シェルドンの「体型的成素と気質的成素」、ユングの「リビドーの固着傾向による性格の形成」などが挙げられる。例えば、クレッチマーの類型論では、肥満型体格の人は躁うつ病に、細長型体格の人は分裂病になりやすいと、精神病と体格の間に親近性があることを予測した。(加藤2001)
しかし、特性論が勃興すると類型論は激しい攻撃を受けることになる。オールポートをはじめとするアメリカの心理学者たちは、類型論について「類型学はどれも本来は境界線があってはならないこと境界を引いてしまう」「類型論は粗雑な記述であり、実験的に検証することが困難である」と、論難した。そこで彼らは「特性」という、生得的で恒常的である、測定可能なパーソナリティの構成要素を利用した「特性論」と提唱していった。(二宮2006)
オール...