静力学
静力学(せいりきがく、英語:statics)とは、静的状態にある、即ち時間によって系の要素の相対
的な位置が変化しない状態に働く力やトルクについて研究する、応用物理学の一分野である。静的
状態では、物体は止まっているか、重心に向かって等速度運動している。
運動の第2法則によると、この状況は系の全ての物体にかかる力とトルクの総和が0であることを意
味する。つまり働いている全ての力には同じ大きさで逆向きの力がある。
静力学は、建築学や構造力学での構造の分析の道具として用いられる。材料強度学は、静力学に大
きく関係する力学の一分野である。
流体静力学は静止した流体について研究する学問である。静止した流体の特徴は、ある点にかかる
力が全ての方向に分散することである。もし力が等しくかからなければ、流体は力の方向に移動す
る。この概念はフランスの数学者で哲学者のブレーズ・パスカルによって1647年に初めて公式化さ
れ、パスカルの原理として知られるようになった。この原理は水理学の基礎となっている。ガリレ
オ・ガリレイも水理学の発展に大きく貢献した一人である。
経済学では、「静的」分析とは物理学におけるのと同じ意味で用いられる。1947年にポール・サミ
ュエルソンのFoundations of Economic
Analysisが発表されて以来、比較静学、つまりある静的状態と別の静的状態を比べる手法が注目を
集めてきた。
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