漫画やアニメの登場人物について、そのキャラクターと外見の完成性について論じています。芸術、文化、表象文化、哲学などに関連する内容になっています。本文の字数は2631字ほどです。
漫画・アニメにおけるキャラクターと外見の関係性
「癒しキャラ」や「へたれキャラ」、「委員長キャラ」のように、コミュニケーションの場において、自らの性格や立場や振る舞いなどをカテゴリー化したものをキャラクター1と言い、その略語をキャラと言う2。我々は日常的なコミュニケーションで何気なくキャラの役割を負っている。そのキャラが自分のアイデンティティと一致するときもあれば、その場に合わせたキャラを演じるときもある。つまり、人間関係におけるキャラは流動的である。しかし、漫画やアニメの主要な登場人物のキャラは基本的には一貫されていることが多いように思われる。そして、漫画やアニメにおいては、内面的なことを表す要素であるキャラが外面的な要素である外見と結びついて描かれていることが一般的だと感じられる。このレポートでは、キャラと外見の結びつきについて、マンガやアニメを分析しながら論じていく。
キャラと外見の結びつきについて分析するために、例えば、委員長キャラの登場人物を分析してみたい。委員長キャラとは学校の学級委員長の立場にいる人物を表す語である。学級委員長と聞いて我々が抱く印象は、成績優秀だったり...