「同一労働同一賃金」原則の今日的発展形態について考察しなさい。
中央大学法学部通信教育課程
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1.同一労働同一賃金原則とは
日本における「同一労働同一賃金」とは、2018年に成立した働き方改革関連法案の一環として実施されるもので、2020年4月から導入が始まった。「同一労働」とは職種・職務が同じ場合だけでなく、従事する労働の価値が同等であれば、同一の賃金を払うという原則である。改革の趣旨・目的は大きく2つに分けられる。第一に社会的側面について述べる。正規雇用(正社員)と労働者の4割にのぼる非正規雇用(正社員以外)間にある待遇格差が不公平感を生み、少子化や貧困の要因になるなど、顕在化した社会問題への対応としての側面である。第二に経済的側面について述べる。非正規雇用が雇用主にとってコストの低い労働力と認識されることにより、能力開発機会等が与えられず、生産性の向上を阻害する。また、経済成長の成果を賃金引上げにより分配し、さらに需要拡大をはかるという好循環阻害への対応としての側面である。(水町、2019、67-68)
「同一労働同一賃金」は、法的に職種別賃金体系(職務給)を強制するものではく、従来から...