大気汚染
大気汚染(たいきおせん)とは、大気中の微粒子や有害な気体成分が増加して、人の健康や環境に
悪影響をもたらすこと。人間の経済的・社会的な活動が主な原因である。自然に発生する火山噴火
や砂嵐、山火事なども原因となるが、自然由来のものは大気汚染に含めない場合がある。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2016年時点で年間650万人が大気汚染により死亡している。特
に都市部を中心に汚染が悪化しており、経済協力開発機構(OECD)は2012年、「2050年には大気汚
染による死者が水質汚染による死者を上回って環境悪化による死者の最大の要因になるだろう」と
予測している。
世界保健機関(WHO)の2018年5月2日の発表では、世界人口の約90%が汚染された大気の下で暮
らし、それが原因で年間700万人が死亡しているとの推計を示した。
なお、大気汚染は主に屋外における大気の汚染を指す。室内における大気(空気)の汚染は「空気
質(大気質)の汚染」「空気質(大気質)の悪化」などという。発展途上国では薪の利用が多い事
などから屋外汚染よりも室内汚染の方がリスクが遥かに高いとされる一方、都市部ではこれに都市
化による屋外汚染が加わる形になっている。薪などによる室内汚染による死者は、2016年時点で年
間350万人である。
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